大航海物語
トレミーのワールドマップ
AD150頃、古地図

ローマ時代の世界地図
参考資料
プトレマイオスの世界地図

バチカン 1991 発行 官製絵葉書より (200%)


バチカン発行の官製絵葉書
(表面)

バチカン 1991 発行
大西洋



アフリカ

プトレマイオスの世界地図を描く「裏面」には太平洋が無い
アジア



インド洋


ウガンダ発行切手の「プトレマイオスの世界地図」

ウガンダ 1992 発行

トレミーのワールドマップ(古地図)
 Ptolemy's World Map, AD150頃

 プトレマイオスの世界地図(ローマ時代の世界)
トレミーことプトレマイオスは150年頃の古代ローマ時代の地理学者で、その著書「地理学」(ゲオグラフィア:Geographia)に古代ギリシアの天文学者ヒッパルコス(Hipparchus、BC190頃-BC120頃)の等間隔に引かれた経緯線を用いて、プトレマイオスが考案した正距円錐図法で描いた世界地図を掲載しました。
イタリア部分の拡大図
プトレマイオスの業績は傑出しており、その誤りと共に後々の世界地図にまで引き継がれました。トレミーの世界地図の実物は失われましたが、その著書の地理学を基にして14〜15世紀のルネサンス期に多くの復元図が製作されたのが現存しています。当時は時差を求められるほど正確な時計が無く、その上に地球の大きさにギリシャの地理学者ポセイドニオス(Posidonius、BC135頃-BC51)が求めたかなり小さ目の値を用いたため、東西方向の距離が実際よりも長めに描かれています。
この絵葉書はバチカン法王庁から発行された官製葉書で、料額印面側の裏面にはその地図が一面に描かれており、地図切手愛好家を魅了する古地図の最高傑作のミニマップとなっています。プトレマイオスは古代最高の地理学者と言われますが、その世界地図は上の切手画像のように、西はカナリア諸島、ヨーロッパから東は中国までを描いており、セイロン島を"Taprobane"(現在より大きい)と、インドシナ半島を"Aurea Chersonesus"と標記し、インドシナ半島を越えた右端に中国が"Sinae"として描かれています。 イベリア半島部分の拡大図

バチカン 1991 発行 官製絵葉書より
そして、アフリカが赤道付近まで描かれており、東方はインドより先のマレー半島まで描かれ、又インド洋が内海として描かれています。

特徴:〜
・太平洋と南北アメリカ大陸が描かれていない
・赤道以南のアフリカが東に延びて、東南アジアと陸続きになっている
・セイロン島がかなり大きく描かれている
・インドにデカン高原が無い
・カスピ海が東西に長い
・ナイル川の源流を「月の山」としている
などが指摘されています。

新大陸アメリカに到達したコロンブスも見ていたという「トレミー世界地図」は、紀元2世紀ローマ時代のギリシャの地理学者プトレマイオス(近代地理学の始祖)が、地球表面を緯度と経度で区分けすることや、球形の地球を平面に表現する球面投影法を考案して描いています。しかし古代ローマ時代には知られていなかった新大陸アメリカと太平洋が抜け落ちています。それに地球の円周を約2万9,000kmと計算しており、アジア東端を約50度も東に置いています。ルネッサンス期にヨーロッパで、特に航海者たちに再発見されましたが、ヨーロッパとアジアが近くにあるように誤解されることになりました。なお、周りの人は12の獣帯をシンボル化したもので、各地方の支配をあらわしているといわれています。

月の山
  (Mountains of the Moon)

  現在のルウェンゾリ山脈
  (Rwenzori Mountains)
ナイル河(Nile River 6,650km)の源流と伝えられている山が「月の山」ですが、それはプトレマイオスの地図に描かれ、古代ギリシャ人やローマ人に、ナイルの究極の水源だと信じられていました。「月の山」は「ルウェンゾリ山脈」のことで、古代人の考えは大筋で正しかったんでした。1906年に、イタリアの王族で登山家・冒険家のアルブルッツィ公爵(Duca degli Abruzzi, ドゥーカ・デリ・アブルッツィ)ルイージ・アメデーオ・ディ・サヴォイア=アオスタ(Prince Luigi Amedeo, Duke of the Abruzzi, 1873-1933)が、ウガンダとコンゴ民主共和国の国境にある標高5,109mのルウェンゾリ山(月の山)に初めて登頂した人物となり、測量して地図を作成しました。

ルウェンゾリ山地はアフリカ中部、ウガンダとコンゴ民主共和国の国境に有る山脈。小規模ながらも壮観な眺めを持ち、最高峰の標高は5,109mで、ウガンダのスタンリー山(Mt. Stanley)です。

紀元150年頃プトレマイオス(Ptolemy)が「ゲオグラフィア」(羅:Geographia=地理学)の中で、ナイル河の源流について記述した文章にあらわれる「月の山脈」(羅:Lunae Montes)がルウェンゾリ山脈とする説が有ります。

ルウェンゾリの山頂付近は赤道直下にもかかわらず万年雪が有ります。
アフリカ大陸で万年雪が有るのはキリマンジャロ山とケニア山、そしてこのルウェンゾリ山脈だけです。ルウェンゾリ山地のほとんどは、ウガンダの「ルウェンゾリ山地国立公園」(Rwenzori Mountains National Park)、コンゴ 
ナイル河部分の拡大図

↑月の山↑       .
バチカン 1991 発行
官製絵葉書の裏面より
民主共和国の「ヴィルンガ国立公園」(Virunga National Park)として世界遺産に登録されています。

ルウェンゾリ山脈
  Rwenzori Mountains
  長さ:120km、幅:65km
 ・主な高山:〜
  ・ウガンダのルウェンゾリ山地国立公園
    ・スタンリー山(Mt. Stanley, 5109m)〜最高峰
    ・スピーク山(Mt. Speke, 4,890m)
    ・ベイカー山(Mt. Baker, 4,843m)
    ・ジェッシ山(Mt. Gessi, 4,715m)
    ・ルイジ・ディ・サヴォイア(Mt. Luigi di Savoia, 4,627m)
  ・コンゴ民主共和国のヴィルランガ国立公園
    ・モンテ・エミン(Mt. Emin, 4,798m)
 ・世界遺産
  ・ウガンダ共和国の「ルウェンゾリ山地国立公園」
   (Rwenzori Mountains National Park)
  ・コンゴ民主共和国の「ヴィルンガ国立公園」
   (Virunga National Park)

こちらで
ナイル河(The Nile、6,650km)6,853kmを
お楽しみください。

・参考HP〜
 ・プトレマイオスの世界地図(コロンブスのアメリカ航海の10年前の物)
 ・スタンリー山の場所地図
 ・モンテ・エミン山の場所地図

・上記はこちらの文献などを参照させてもらいました。     2015/2/15、17/2/13      
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