★ロシア
ラブレンティ・ザコスキン大尉
1842年
アラスカ・ユーコン河の探検

大航海物語★
ROSSIJA POCCUST
ユーコン川探検
ザコスキン大尉 ユ|コン川
ロシア 1992/7/12 発行

CANADA




探検船
北米・北極の川

Mackenzie River
カナダ 1994/4/22 発行
夏期の風景
US AIR MAIL
アラスカ州の地図

アラスカ州昇格記念
アメリカ 1959/1/3 発行





シトカ

フォートロス

サンフランシスコ

ロシア生まれのザコスキン大尉はロシア帝国海軍に入隊してバルチック海やカスピ海などで勤務し、ロシアの科学者の教えを受け、アラスカ奥地の探検をしました。
ラブレンティ・アレクセイェヴィッチ・ザコスキン海軍大尉 (1808/5/21〜1890/1/22)
 Lieutenant Lavrenty Alekseyevich Zagoskin

  ロシア帝国海軍大尉
  アラスカ探検家
  ペンザ州生、リャザン:81才没
ザコスキンはヴォルガ川の支流スラ川に臨む沿ヴォルガ連邦管区ペンザ州(Penza)州都でモスクワの南西625kmに有るニコライェヴカ村(Nikolayevka)で生れました。列車で海の街に行ってロシア海軍に入隊して、バルチック艦隊(Baltic seas)やカスピ海艦隊(Caspian seas)で勤務しました。ロシアの科学者ヴォズネンセンスキー(I.G. Voznesensky)に鉱物学(mineralogy)、動物学(zoology)、植物学(botany)、昆虫学(entomology)を学びました。

アラスカ(Alaska)海岸線の探検調査はベーリング船長ステラー博士、グヴォズデフ(Mikhail Gvozdev 1700-1759)などの探検で調査されていましたが、アラスカ奥地は未探査でした。18世紀にロシアはユーコン河々口(mouth of the Yukon River)、アッパー・カスコクウィム川(upper Kuskokwim)、ナシャガク川(Nushagak River)に砦を築いていました。1799年に露米会社が設立されると、アラスカは露米会社にとって魅力ある土地に見えましたので、奥地への探検隊を派遣。ザコスキンは露米会社から、砦(forts)と交易所(trading posts)の好適地の調査に、アラスカ奥地ユーコン川渓谷(Yukon Valleys)とカスコクウィム川渓谷(Kuskokwim Valleys)に派遣され、銃を使わずに毛皮(furs)と嗜好品(luxury items)や贅沢な衣服(exotic clothing)、ビーズ(beads)やタバコ(tobacco)などで現地人と交易して2年間探検(1842-1844)しました。

1842年現地のコルマコヴスキー(Kolmakovskii redoubt)砦といわれていた所を発見。そこには防禦用の壁も柵も無いただの集落でした。同年ユーコン川(Yukon Rivers 3,700km)渓谷を探検して、カスコクウィム川(Kuskokwim River 720、1,165km)渓谷をボートで下ってブリストル湾へと探検。ユーコン川支流ローワー・コユカク川(lower Koyukuk River 805km)渓谷を犬ソリ隊(1842-1843)で探検しました。1843年にプトナム(G. R. Putnam, USC&GS)がクヴィハルヤスク(Kvikhlyuak)と記述していた所を調査に出かけて、アラスカの中央ユーコン川のユピック(Central Alaskan Yup'ik)を探検しました。そして其処をカコロカミウト(Kaoklorokamiut)と日記(diaries)に記録し、ユーコン・デルタ(Yukon Delta)のクウィクルアク・パス砂洲(Sand bank of Kwikluak Pass)、クウィサク(Kwiguk, Yukon-Kuskokwim Delta)の南西20.1kmの所のエスキモー(Eskimo)のクウィクルアク村(Kwikluak Villages)を調査しました。

ザコスキンのアラスカ探検(1842〜1844):34才〜
・ユーコン川(Yukon River 3,190km)、ベーリング海に注ぐ川
  ユピック族(Yupik)が大きい川(Kuigpak)と呼んでいた
・インノコ川(Innoko River 805km)ユーコン川へ合流、
  カスコクウィム山脈(Kuskokwim)クラウディ山(Cloudy Mt)源流
・コユカク川(Koyukuk River 805km)、ユーコン川へ合流
  コユコン族(Koyukon)因んで命名。1838年ピョートル・マラコヴ
  (Petr Malakov)がユーコン川合流点から入る
  流域にヘラシカのムース(moose)が棲息
・カスコクウィム川(Kuskokwim River 1,165km)
  ベーリング海カスコクウィム湾(Kuskokwim Bay)に注ぐ
  1818年に欧米人として初めてウスティウゴフ(Ustiugov)が発見
  1826年にサリチェフ中尉(Lt. Sarichev)がリカ・カスコクヴィム
  (Ryka Kuskokvim)として地図に記載
など、5310kmを探検して、 習俗(customs)、言語(language)、風俗(environment)について詳しく調査して日記に記録、報告しました。
北米極北の川
ム|ス

夏期の風景
Main River
カナダ 1991/8/20 発行

ザコスキンが調査した集落:〜
・アッパー・カラスカグ(Upper Kalskag Alaska)、
  1843年ユピック族の集落を人口120人でカルクァガミュート(Kaltkhagamute)と記録
・ゴローヴィン(Golovin Alaska)、イヌピアト族(Inupiat people)の集落をゴローニン船長
  ゴローヴィン(Golovin)と名付けた所を、1842年イカリクグイグミュット(Ikalikguigmyut)と記録
・シャクツーリク(Shaktoolik Alaska)、
  ユピック族の言語(Unaliq word)で此処をシャクツーリクとして欧州人最初の地図記入
・セルウィック(Selawik Alaska)
  此処をチルヴィック(Chilivik)と記録して報告
・クロウ・ヴィレッジ(Crow Village Alaska)、
  1843年カスコクウィム川河畔集落からボートの川下りでブリストル湾(Bristol Bay)へ出て、
  ホノリトナ川(Hoholitna)の主流から徒歩で幾つもの川を越えて、カスコクウィム川へ入り、
  2つの主要なユピック族の集落について人口100人と記録
・ジョージタウン(Georgetown Alaska)
  1844年ケルレズィチャガト(Keledzhichagat)と記録
・クウィギアムペエイヌカミュート(Kwigiumpainukamiut, Alaska)
  ユピック族の集落チュアスバルク(Chuathbaluk)とナパムト(Napaimute)の間にある所
・キヴァリナ(Kivalina, Alaska)
  エスキモーのキワルク川(Kiwalik River)の集落で、
  1847年の報告書にキヴアリナミュト(Kivualinagmut)と記載
・コツェブー・サウンド(Kotzebue Sound)、1816年にコツェブー船長が来航
  1847年の報告書にキキクァタギュト(Kikikhtagyut)と記載、
セラウィク村(Selawik, Alaska)はエスキモー種族の村(Eskimo tribe village)で、1842〜44年の探検で、ザコスキンがコツェブーサウンド(Kotzebue Sound)東145km(アンカレジ(Anchorage)北西1080km)のセラウィク湖(Selawik Lake)へ流入するセラウィク川(Selawik River)河口のセラウィク村(Selawik, Alaska)をチリヴィク(Chilivik)と、欧州人として最初に報告。その直後にイワン・ペトロフ(Ivan Petroff)がセラウィガミュート族("Selawigamute" people)が100人いたと報告。現在そこはセラウィク国立野生生物保護区(Selawik National Wildlife Refuge)の近くの街です。セラスィク川(Selawik River)は6月初から10月中旬まで航行可能。

ロシアに戻ったザコスキン大尉は、1847年に約5310km以上に及ぶ探検行の最後のレポートを出版しました。それは歴史家、人類学者、地理学者などの研究資料となり、1848年にロシア帝国科学アカデミー(national Academy of Science)から勲章を受章しました。海軍に復帰した後、高齢で除隊していましたが、1890年モスクワから南東に196kmのリャザン州の州都リャザン(Ryazan)で亡くなりました。

なお、北極圏(Arctic Circle)は真冬に太陽が昇らず(極夜)、真夏に太陽が沈まない(白夜)、北緯66度33分39秒地点を連ねた線およびそれ以北の地域です。

参考HP:〜
ペンザ市の場所地図
リャザン市の場所地図

ユーコン川の場所地図
ユーコン川とカスコクウィム川の場所地図
カスコクウィム川の場所地図
カユカク川の場所地図
ゴローニンの場所地図
シェクツールの場所地図
セラウィックの場所地図
インノコ川の場所地図

 アラスカの地図(拡大有)
 アラスカ地区別の場所地図(拡大有)(シトカ付近)
北極圏の場所地図(N 66° 30′)

・上記はこちらの文献などを参照させてもらいました。        11/6/11
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