切手で綴る世界遺産(フィンランド)
スオメリンナ要塞
1748
1991
創建
世界遺産登録


Suomi Finland
スオメリンナ要塞の鳥瞰図

3種ペーンの表紙

スオメリンナ要塞の船着き場

スオメリンナ要塞の世界遺産登録15年記念(3種ペーン)小型シート
フィンランド 2006 発行

スオメリンナ要塞
  Suomenlinna (Sveaborg)

  住所:フィンランド共和国ウーシマー県ヘルシンキ市スオメンリンナ島など6島
      (6 islands, Helsinki, Uusimaa Region, Finland)
  世界遺産:ユネスコの文化遺産(1991)
  (UNESCO World Heritage Site, Type:Cultural)
  正式名称:日:スオメンリンナの要塞
         英:Fortress of Suomenlinna
         仏:Forteresse de Suomenlinna
スオメンリンナの要塞はフィンランドの首都ヘルシンキ市内のスオメンリンナ島(Suomenlinna Island)など6つの島の上に建造された海防要塞(sea fortress)。1991年にユネスコの世界遺産に登録されて、観光客だけでなく、地元民にとっても、美しい行楽地です。当初の名前はスヴェアボリ(Sveaborg, スウェーデンの要塞)なるも、1918年に愛国主義的な理由からスオメンリンナ(スオミの城塞)と改称されました。これはヴォーバン式星型要塞です。

ヘルシンキからフェリーで約15分。橋で結ばれた6つの島からなる要塞群の建設が始まったのは1748年。ロシアに対する守りを固めるため、当時フィンランドを支配していたスウェーデン・フィンランド王国のスウェーデン王の命で、ロシア帝国に対する守りを目的として要塞の建造に着手。築城の名手ヴォーバンの思想の強い影響で40年の歳月をかけて築かれました。島の要塞自体に加えて、本土の臨海要塞群が足がかりとなる海岸堡を築けないようにしていました。また、計画には駐留スウェーデン
フィンランドの地図
スウ


デン
ロシア
フィンランド 1976/3/10 発行
海軍とフィンランド分遣隊全体の軍需品の備蓄も盛り込まれていました。フィンランド戦争中の1808年5月3日に要塞はロシア軍に占領され、1809年のロシア軍によるフィンランド占領の足がかりとなり、100年以上にわたりロシアの要塞になりました。この時には実害がほとんどありませんでしたが、1855年のクリミア戦争のときには、イギリス海軍とフランス海軍による艦隊の艦砲射撃で損害を被りました。1917年のロシア革命でフィンランドはようやく独立を果たし、島はスオメンリンナ(フィンランドの要塞)と名を改めました。

高度な建築技術が集積した人類の歴史上、重要な時代を代表する建築群として世界遺産に登録されたスオメンリンナは、当時攻撃の主力だった大砲への備えと、攻め寄せる敵軍に対し防御する際に死角ができないように造られた星形要塞。全長約8kmにおよぶ城壁で囲まれ、島全体が堅固な要塞でした。現在もフィンランド海軍の基地が置かれていますが、美しい緑の丘に教会が建ち、レストランやカフェ、おもちゃ博物館などが点在する島は、明るくのどかで平和そのもの。陶器やガラスの工房もあり、アーティストの島とも呼ばれ、ヘルシンキ市民の手軽な行楽地になっています。端から端まで20分ほどの島内を歩けば、博物館に要塞の歴史資料が展示され、大砲や塹壕、第二次世界大戦時の潜水艦ヴェシッコ号(Submarine Vesikko)など、今も戦争の爪痕を残すスオメンリンナ。

・スオメンリンナ島の潜水艦ヴェシッコ号博物館
  (Finnish submarine Vesikko、250t)
ヴェシッコ号は第一次世界大戦(1914-1918)後にドイツが軍艦建造を禁じられていた時代に、1930年オランダの会社が商業用潜水艦のプロトタイプ建造を依頼するという名目で、フィンランドで秘密裏に作られた、当時は最新鋭の試験的潜水艦で、
・進水:1933/5/10
・就役:1936/1/19
・浮上時:250トン
・潜水時:303トン
・乗組員:16人
・武装:
 ・魚雷発射管:3本、魚雷5本
 ・マジソン20o砲(Madsen 20mm cannon)、1門
 ・12.7mm機銃、1門
・退役:1944、1946博物館
の装備でした。
このオランダの会社は実際のところドイツが実権をもつダミー会社でした。ヴェシッコ号はドイツ軍によって使われることがないまま、フィンランド海軍が購入し、「冬戦争」(1939年に始まったフィンランドとソビエト間の戦争)と第二次世界大戦で実際に対ソビエト戦争で使用されました。1944年に退役となり、第二次世界大戦後フィンランドは潜水艦を運用することが禁じられたため、博物館として展示されるまで倉庫保管されていました。歴史的には第二次世界大戦時(1939-1945)のドイツのUボートの原型でした。ヴェシッコ号
ドイツ潜水艦Uボート

潜水艦の潜望鏡

ドイツ 1943 発行
は博物館として中に入ることができる小さな潜水艦です。同様のものはハワイのパール・ハーバー(真珠湾)にも有。

参考HP:〜
スオメンリンナ島の場所地図(日本語、ヘルシンキの地図)
ヘルシンキの場所地図(日本語)
スオメンリンナ島の鳥瞰図
潜水艦博物館のヴェシッコ号(公式HP)
潜水艦博物館のヴェシッコ号(HP)

こちらで世界遺産の
レナ川の柱群 (ロシア)
バイカル湖 (ロシア)
アトス自治修道士共和国 (ギリシャ)
パルテノン神殿 (ギリシャ)
ヌビア遺跡保存 (エジプト)
奈良の法隆寺 (日本)
をお楽しみください。

・上記はこちらの文献などを参照させてもらいました。       2018/12/20

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