大航海物語
壊血病
Scurvy


参考資料

キャベツ

ボブタツワナ 1988 発行
柑橘類(オレンジ・ミカン)

南ローデシア 1964 発行
オレンジ(ミカン)

イスラエル 1964 発行

・壊血病:〜:ビタミンCの欠乏で罹る病気
  Scurvy
   ビタミンC欠乏症

15世紀に始まった大航海時代で多くの船乗りがこの病気で命を落としました。大航海に出帆すると半数の乗組員が帰らぬ人となったといわれ、そのほとんどがこの壊血病でした。この病気の原因が分からなかったため、海賊以上に恐れられ、ポルトガルのヴァスコ・ダ・ガマのインド航路発見の航海では、約170人の乗組員の内100人がこの病気にかかって亡くなったといわれています。

壊血病は、出血性の障害が体内の各器官で生じる病気で、成人と小児では多少症状が異なり、ビタミンCの欠乏によって生じます。ビタミンCは体内のタンパク質を構成するアミノ酸の1つのヒドロキシプロリンの合成に必須であるため、これが欠乏すると組織間をつなぐコラーゲンや象牙質、骨の間充組織の生成と保持に障害を受けます。これがさらに血管等への損傷につながることが原因です。ビタミンCの投与を行うことによって治療でき、
その症状は、
・脱力や体重減少、鈍痛に加え、次のような症状が見られます。
・皮膚や粘膜、歯肉の出血およびそれに伴う歯の脱落、変化 創傷治癒の遅れ
・低色素性の貧血
・感染への抵抗力の減少
・古傷が開く
などですが、これらの症状は3〜12か月に及ぶ長期・高度のビタミンC欠乏の場合です。

▼1753年にイギリス海軍省のジェームズ・リンド(James Lind 1716-1794)は、食事環境が比較的良好な高級船員の発症者が少ないことに着目し、新鮮な野菜や果物、特にミカンやレモンを取ることによってこの病気の予防が出来ることを見つけました。その成果を受けて、キャプテン・クック(1728〜1779)の南太平洋探検の第一回航海(1768-1771)で、ザワークラウト(sauerkraut キャベツの漬物)や果物の摂取に努めたことにより、史上初めて壊血病による死者を出さずに世界周航が成し遂げられました。また、ネルソン提督(1785〜1805)はオレンジを多量に積み込んで、乗組員に食べさせていました。

・上記はこちらの文献などを参照させてもらいました。有難う御座いました。    2010/3/25

こちらでスパイスを、次の病はこちらで、
お楽しみください。
スタンプ・メイツ
Copyright(C):Nicky
無断転載禁止