切手で綴る日本の城郭シリーズ (日本100名城
洲 本 城
1526、築城
続:日本100名城の第164番
日本 NIPPON
洲本城(兵庫県の淡路島)
三熊山の洲本城跡

(82円切手)






洲本城の模擬天守閣

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兵庫県政150年記念のご当地オリジナルフレーム切手
日本 平成30年 2018/4/23 発行 @1300円のフレーム小型シートより

洲本城、(すもとじょう)
  Sumoto-jo castle、別名:三熊城
  (住所:日本国兵庫県洲本市山手一丁目の平城跡に博物館が有)
 城郭構造:山城(上の城)と、平城(下の城)が、”登り石垣”で連結防御
 天守構造:連結式(非現存)
 築城主:三好氏重臣の安宅治興
 築城年:室町時代後期、大永6年(1526)
 廃城年:明治4年(1871)
 遺構:石垣、天守台、堀
 指定文化財:国史跡
 再建造物:模擬天守(昭和3年製の鉄筋コンクリート造:層塔型4重4階)有
 主な改修者:脇坂氏(山城)、蜂須賀氏(平城)
 主な城主:安宅氏、仙石氏、脇坂氏、 藤堂氏、池田氏、蜂須賀氏

洲本城は、淡路国津名郡、現在の兵庫県洲本市にある日本の城跡。兵庫県神戸の南に浮かぶ「淡路島」の洲本市大浜海岸の西に広がる三熊山(132m)一帯に築かれている平山城(比高132m)で、国指定史跡です。洲本城の別名は三熊城で、最初の築城は不明瞭なところがありますが、戦国時代の1526年(大永6年)に安宅治興が築城したと伝えられています。淡路国の安宅家(あたぎけ)は水軍で、阿波守護の細川家に従属していましたが、三好長慶(1522-1564)が主家の細川家を討って(1549)阿波から畿内へと進出すると、安宅治興は三好家に臣従しました。そして、三好元長の3男(三好長慶の弟)である安宅冬康(1528頃-1564)を養子に迎え(1536)、由良城(由良古城)を居城にし、洲本城は淡路島に8ヵ所あった支城のひとつでした。

三熊山周囲には城郭の遺構が数多く残っており、中世の山城の城郭建築を今に残す貴重な学術資料です。天守台の眺望が素晴らしく、珍しい「登り石垣」と、1928(昭和3)年建造日本最古の模擬天守があるので、続:日本100名城に選ばれた城です。模擬天守の雰囲気は展望台です。日本最古という価値はありますが、天守の土台が石垣ではなく、穴なので城らしい頑丈な雰囲気がありません。この城の特徴は「登り石垣」、総石垣造りの各曲輪、本丸の虎口、石段、石垣の大きさなどで、桜の名所にもなっています。車で山頂近くの大手門まで行けます。

・洲本城の略史:〜
西暦年 和暦年 メモ
1500 永正年間 紀州熊野水軍の安宅氏が洲本城の築城を開始
1526 大永6 三好氏重臣の安宅治興が築城(安宅氏の居城は由良古城)
1536 天文4 三好冬康が安宅家の養子となる
 ?  ? 治興の没後は養子安宅冬康が家督相続
1564 永禄6 冬康が飯盛山城で自刃(兄三好長慶が呼び出し)後、長男信康(1549-1578)相続
1578 天正6 二男清康(?-1581)が家督相続(由良古城)
1581 天正9 羽柴秀吉の淡路追討で開城、降伏安宅氏(病死)滅亡、城は仙石秀久に賦与
1582 天正10 仙石秀久(1552-1614)が洲本城に居城し修築
1585 天正13 仙石秀久は高松城主になる(九州征伐後に軍律違反で高野山へ追放)
 ”  ” 10月、脇坂安治(1554-1626)が洲本城に居城し、洲本城の本格的な修築を開始
天守の造営、石垣の大改修で、倭城での経験から「登り石垣」が築かれる
1600 慶長5 脇坂安治は関ケ原の戦いで徳川家康に寝返り所領を安堵
1609 慶長14 脇坂安治は伊予の大洲藩へ、代わって淡路は藤堂高虎の属領となる
1610 慶長15 池田輝政の三男忠雄が淡路国の領主となり、洲本城は廃城、由良成山城に居城
1614 慶長19 大坂夏の陣(〜1615/5月)後、池田氏が岡山に移り、淡路国が徳島藩主蜂須賀氏の領地となり、阿波藩が派遣した筆頭家老の稲田氏が城代として由良城に居城
1615 慶長20 江戸幕府の一国一城令(1615/8/7)で「上の城」が破却される
1631 寛永8 由良の地が狭く、城下の経営も出来ない、交通の便も悪い、などを理由に
城下町ごと洲本城に移転(由良引け〜1635)、以後は洲本が淡路の中心となる
この時に山頂の城(上の城)は廃され、麓に館(下の城)が築かれる
1867 慶応3 大政奉還、王政復古
1868 明治1 明治改元:明治元年旧 9/8(1868/10/23)
1870 明治3 5/13、庚午事変(稲田騒動)で、
稲田邦植以下の家臣全員に北海道静内郡と色丹島への開拓移住を命じられる
1871 明治4 5月、津名郡43ヵ村浦が徳島藩から兵庫県に移管
1871 明治4 7/14、廃藩置県
1873 明治6 廃城令で洲本城御殿は取り壊され、建物の一部は洲本八幡神社に移築(金天閣)
1876 明治9 8/21、淡路全島が兵庫県に編入
1928 昭和3 御大典(昭和天皇の即位式)記念で、鉄筋コンクリート製模擬天守を築造
江戸時代の復元ではないが模擬天守としては日本最古
1983 昭和58 下の城が洲本市の史跡に指定
1999 平成11 上の城が国の史跡に指定
2017 平成29 4/6、続:日本100名城に選定(164番)

現在は曲輪・池・石段・石垣・櫓跡などが残っており、天守台からの眺望「大浜を大観」と三熊山東側展望台からの「マリーナを展望」は洲本八景の1、2に選ばれています。

・登り石垣
洲本城の登り石垣(のぼりいしがき)は「由良引け」以降に築かれ、明治まで続いた「下の城」とは、史跡としては全く別の時代のものと考えられ、「上の城」と分類されています。上の城は1999/1/14(平成11年)、国の史跡に指定され、下の城も洲本市の史跡に指定されました。下の城の跡地にはかつての洲本城(上の城)に関する資料を展示する洲本市立淡路文化史料館などが有。上下の城を繋ぐことで防御力を高めた「登り石垣」という全国でも数例しかない珍しい遺構が良好な状態で保存されていることが評価され、2017/4/6(平成29年)、続:日本100名城に選定されました(164番)。洲本城では本丸天守台から東の丸までの間に登り石垣があります。

登り石垣は、豊臣秀吉の朝鮮出兵の文禄の役慶長の役で、大名たちの侵攻の拠点として朝鮮半島に倭城が築かれ、その多くは日本からの補給口となる船着場を確保するため、海岸や河川に近いところでした。本丸と天守は見晴らしが良く防備の要となる小高い丘や山の上にあるも、兵の居住建物等は補給口に近い平地にあったので、その間の侵入を防ぐため、本丸と港を取り囲むように山腹の両側に日本式の石垣を築造。これを登り石垣といい、朝鮮半島の倭城の防備を固めるために採られた石垣普請の手法で、竪石垣(たていしがき)ともいわれました。日本での登り石垣は、伊予・松山城、彦根城にもみられる石垣で、麓から山頂に向けて「縦」に高い石垣が設けられています。これは、敵が城を攻めてきた際に、山麓を横移動できないようにする目的の石垣となります。洲本城のように海上から補給可能な城の場合、登り石垣と、登り石垣の間には、敵を入れず、海上との通路が奪われないようにし、補給や逃亡経路を確保しました。

・淡路島の古城
 ・洲本城(安宅氏が造)、洲本市山手
 ・由良古城(安宅氏の居城)、洲本市由良町由良古城山
 ・岩屋城、淡路市(津名郡)淡路町
 ・由良成山城(由良城)、由良町由良成ヶ島
 ・猪鼻城(猪鼻山、台山327m、安宅志摩守冬俊)、洲本市千草丙字猪鼻
 ・炬口城(タケノグチ、永正2年(1505)安宅監物秀興が造)、洲本市炬口、市史跡
 ・郡家城(室町時代後期の田村氏館、城山30m)、淡路市(一宮町)多賀字中村
 ・白巣城(白洲城、白巣山320m)、洲本市(津名郡)五色町鮎原三野畑白州
 ・志知城(鎌倉時代初期に菅和泉守道忠が造)、南あわじ市志知松本
 ・柳澤城(淡路十人衆の柳沢氏が造)、淡路市柳澤
 ・湊城(湊安宅氏の居城)、南あわじ市湊
 ・など


参考:〜続:日本100名城
洲本城からの眺望

日本 2016/4/8 発行
101 志苔館(しのりたて) 北海道 函館市 国史跡
102 上ノ国勝山館  ” 上ノ国町 国史跡
103 浪岡城 青森県 青森市 国史跡
104 九戸城 岩手県 二戸市 国史跡
105 白石城 宮城県 白石市
106 脇本城 秋田県 男鹿市 国史跡
107 秋田城  ” 秋田市 国史跡
108 鶴ヶ岡城 山形県 鶴岡市 国史跡・日本さくら名所100選
109 米沢城  ” 米沢市 県史跡 日本100名城
竹田城


日本 2014/12/10 発行

広島城

日本 2015/4/8 発行

熊本城

日本 2014/7/15 発行

丸岡城

日本 2015/8/7 発行

江戸城

日本 2015/8/7 発行

金沢城

日本 2015/4/3 発行

小田原城

日本 2014/7/15 発行

松前城

日本 2014/7/15 発行

岡山城

日本 2014/7/15 発行
110 三春城 福島県 三春町 町史跡
111 向羽黒山城  ” 会津美里町 国史跡
112 笠間城 茨城県 笠間市 市史跡
113 土浦城  ” 土浦市 県史跡
114 唐沢山城 栃木県 佐野市 国史跡
115 名胡桃城 群馬県 みなかみ町 県史跡
116 沼田城  ” 沼田市 県重文
117 岩櫃城  ” 東吾妻町
118 忍城 埼玉県 行田市 県史跡
119 杉山城  ” 嵐山町 国史跡
120 菅谷館  ” 嵐山町 国史跡
121 本佐倉城 千葉県 酒々井町 国史跡
122 大多喜城  ” 大多喜町 県史跡
123 滝山城 東京都 八王子市 国史跡
124 品川台場  ” 港区 国史跡
125 小机城 神奈川県 横浜市
126 石垣山城  ” 小田原市 国史跡
127 新府城 山梨県 韮崎市 国史跡
128 要害山城  ” 甲府市 国史跡
129 龍岡城 長野県 佐久市 国史跡
130 高島城  ” 諏訪市 市史跡・三大湖城
131 村上城 新潟県 村上市 国史跡
132 高田城  ” 上越市 県史跡・日本さくら名所100選
133 鮫ヶ尾城  ” 妙高市 国史跡
134 富山城 富山県 富山市 模擬天守が国有形文化財
135 増山城  ” 砺波市 国史跡
136 鳥越城 石川県 白山市 国史跡
137 福井城 福井県 福井市
138 越前大野城  ” 大野市 県史跡、天空の城
139 佐柿国吉城  ” 美浜町 町史跡
140 玄蕃尾城 福井県・滋賀県 敦賀市 国史跡
141 郡上八幡城 岐阜県 郡上市 県史跡
142 苗木城  ” 中津川市 国史跡
143 美濃金山城  ” 可児市 国史跡
144 大垣城  ” 大垣市 市史跡
145 興国寺城 静岡県 沼津市 国史跡
146 諏訪原城  ” 島田市 国史跡
147 高天神城  ” 掛川市 国史跡
148 浜松城  ” 浜松市
149 小牧山城 愛知県 小牧市 国史跡
150 古宮城  ” 新城市 市史跡跡
151 吉田城  ” 豊橋市
152 津城 三重県 津市 県史跡
153 北畠氏館  ” 津市 国史跡
154 田丸城  ” 玉城町 県史跡
155 赤木城  ” 熊野市 国史跡
156 鎌刃城 滋賀県 米原市 国史跡
157 八幡山城  ” 近江八幡市
158 福知山城 京都府 福知山市 市史跡
159 芥川山城 大阪府 高槻市
160 飯盛城  ” 大東市
161 岸和田城  ” 岸和田市 国名勝
162 出石城・有子山城 兵庫県 豊岡市 市史跡・ 国史跡
163 黒井城  ” 丹波市 国史跡
164 洲本城  ” 洲本市 国史跡
165 大和郡山城 奈良県 大和郡山市 県史跡
166 宇陀松山城  ” 宇陀市 国史跡
167 新宮城 和歌山県 新宮市 国史跡
168 若桜鬼ヶ城 鳥取県 若桜町 国史跡
169 米子城  ” 米子市 国史跡
170 浜田城 島根県 浜田市 県史跡
171 備中高松城 岡山県 岡山市 国史跡
172 三原城 広島県 三原市 国史跡
173 新高山城  ” 三原市 国史跡
174 大内氏館・高嶺城 山口県 山口市 国史跡
175 勝瑞城 徳島県 藍住町 国史跡
176 一宮城  ” 徳島市 県史跡
177 引田城 香川県 東かがわ市 市史跡
178 能島城 愛媛県 今治市 国史跡
179 河後森城  ” 松野町 国史跡
180 岡豊城 高知県 南国市 国史跡
181 小倉城 福岡県 北九州市
182 水城 (みずき)  ” 大野城市 国特別史跡
183 久留米城  ” 久留米市 県史跡
184 基肄(きい)城 福岡県・佐賀県 基山町 国特別史跡
185 唐津城 佐賀県 唐津市
186 金田城 長崎県 対馬市 国特別史跡
187 福江城  ” 五島市 県史跡
188 原城  ” 南島原市 国史跡
189 鞠智(きくち)城 熊本県 山鹿市 国史跡
190 八代城  ” 八代市 国史跡
191 中津城 大分県 中津市 県史跡・三大水城
192 角牟礼(つのむれ)城  ” 玖珠町 国史跡
193 臼杵城  ” 臼杵市 県史跡
194 佐伯城  ” 佐伯市 県重文
195 延岡城 宮崎県 延岡市 市史跡
196 佐土原城  ” 宮崎市 国史跡
197 志布志城 鹿児島県 志布志市 国史跡
198 知覧城  ” 南九州市 国史跡
199 座喜味城 沖縄県 読谷村 国史跡・世界遺産
200 勝連城  ” うるま市 国史跡・世界遺産

関東・甲信越地方:(112 - 133)
北陸・東海地方:(134 - 155)
近畿地方:(156 - 167)
中国・四国地方:(168 - 180)
九州・沖縄地方:(181 - 200)。

こちらで
尼崎城 (日本)
マン島 (淡路島ほどの島)

世界遺産の
姫路城 (日本)
サンマリノ (サンマリノ共和国)
エル・エスコリアル宮殿 (スペイン)
ナン・マトール遺跡 (ポンペイ島)
をお楽しみください。

参考HP:〜
淡路島の地図(日本語)

・上記はこちらの文献などを参照させてもらいました。  2016/9/16、2018/8/18
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